介護施設で喀痰吸引の話題が出て、不安を感じている方はいませんか?
「高齢者の呼吸を楽にしてあげたい」といった気持ちはあっても、「自分にそんな医療的ケアができるのだろうか?」と不安に思う方もいるのではないでしょうか。
実は、私も最初は同じ気持ちでした。でも、実際に研修をしっかり受けて、現場で経験を重ねるうちに無理なくできるようになりました。ですから、どうか安心してくださいね。
本記事では、介護職の方に向けて、喀痰吸引の基本的な知識から必要な資格、そして注意すべき4つのポイントを分かりやすく解説しています。
この記事を読むことで、喀痰吸引が自分にもできる医療的ケアだと自信を持てるようになります。高齢者の健康を守り、快適な毎日を支えるために、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
喀痰吸引とは何か?
喀痰吸引とは、高齢者の気道内に溜まった痰(たん)や唾液などの分泌物を取り除くために行う医療的ケアです。
とくに、自力で痰を出せない方や呼吸が難しい方にとっては、喀痰吸引によって呼吸が楽になるだけでなく、肺炎などの感染症を予防する効果も期待できます。
以下に、喀痰吸引が必要な方の例を挙げます。
- 自力で痰を出すのが難しい方
- 気道が閉塞しやすい方
- 呼吸器で感染症リスクが高い方
喀痰吸引が必要な高齢者にとっては、生活に必要な医療的ケアです。
介護職で喀痰吸引が必要な理由
痰は気道を保護するための重要な役割を果たしますが、過剰に溜まると呼吸を妨げ、それが感染症の原因になる場合があります。そのため、介護現場では喀痰吸引が必要とされるのです。
以下の理由から、喀痰吸引が重要視されています。
- 痰が蓄積して呼吸が難しくなる
- 痰が原因で細菌やウイルスが繁殖し、感染症を引き起こすリスクが高まる
- 自力で痰が出せない
喀痰吸引の実施は、高齢者はその場で呼吸の負担が軽減され、快適な日常生活を取り戻せます。
さらに、介護者が正しい知識と技術が身に付けば、緊急時の対応力が向上し、高齢者の健康維持をより効果的にサポートができます。
【喀痰吸引研修を受ける前の体験談】
私も最初は「必要ならしなくちゃいけないのか」と思っていましたよ。
「吸引は難しそうだし、でも高齢者は苦しそうだし、何かあったらどうしよう」とかですね。
今でも吸引が難しい高齢者の方はいますけど、看護師ですら難しいので気にしないことです。
ある程度は吸引できるようになりますし、あとこの研修は経管栄養もできるようになるので、きっと役に立ちますよ。
喀痰吸引の種類
喀痰吸引には以下の3種類があり、高齢者の状態に応じて使い分けられます。
- 口腔吸引
- 口の中の痰を取り除く方法で、最も簡単な吸引方法です。主に少量の痰がある場合に適しています。
- 鼻腔吸引
- 鼻からカテーテルを挿入して痰を吸引します。鼻腔の奥に溜まった痰を取り除く場合に用います。
- 気管カニューレ吸引
- 人工気道を確保している高齢者に行う高度な吸引方法で、専門的な技術が必要です。
上記の中から、高齢者の状態に応じて適切な吸引方法を選ぶのが、喀痰吸引ではとても重要です。
【口腔も鼻腔も気管カニューレ吸引も実施してきた経験談】
大体は、客観的に喘鳴(ぜーぜー)が聞こえる場合に、口腔内吸引と鼻腔吸引を実施していましたね。
気切がある方は、気管カニューレ吸引を行い、高齢者の呼吸状態を改善してきました。
難しさと言えば、一択で鼻腔吸引だと思いますよ。
だからといって、口腔吸引だけではしっかり痰を取れないので、結局は鼻腔吸引になるんですよね。
ですので、一番多くするのが鼻腔吸引になります。
喀痰吸引の手順
喀痰吸引を安全に行うためには、手順を正しく守るのが重要です。以下の基本手順に沿って実施します。
- 手洗いや手指消毒を行い、清潔な環境を整える。
- 高齢者に吸引の説明をしたうえで体勢を整え、必要に応じて酸素を供給する。
- カテーテルを正しい深さ(咽頭の手前)まで挿入し、痰を吸引する。
- 吸引中は高齢者の呼吸や表情を観察し、異常がないか確認する。
- 吸引後は、カテーテルや器具をしっかり洗浄して、次回に備える。
上記の中でとくに重要なのは、高齢者に合わせた吸引のタイミングや深さの把握です。適切な調整で、高齢者の負担を最小限に抑えられます。
また、吸引中に高齢者の状態をしっかり観察することで、合併症やトラブルを未然に防げます。
【私が喀痰吸引を1万回以上(数えきれないほど)は実施してきた経験談】
喀痰吸引は、高齢者によってはカテーテルが入りにくい場合があります。
その場合は、高齢者に「ゴホンゴホンしてください」と促します。
なぜかというと、ゴホンゴホンをすると気道が開くので、その瞬間にカテーテルが入りやすくなるからです。
これも高齢者のタイミングや癖を知っておくと、こういうときに役に立ちますね。
それでも難しい方や暴れる方もいますので、決して簡単ではありませんが、場数を踏んでいけばできるようになりますよ。
喀痰吸引を介護職が行う場合の条件

喀痰吸引は医療行為に該当するため、法律で厳しく規定されています。
医療従事者以外の介護職が喀痰吸引を行う場合は、以下の条件を満たす必要があります。
- 喀痰吸引等研修を修了していること
- 高齢者本人およびご家族の同意を得ていること
- 医師や指導看護師の指示の下で行うこと
- 医療行為の記録を適切に保管すること
介護現場では「介護職員等による喀痰吸引等実施のための法律」に基づき、研修を受けた介護職員は喀痰吸引の実施が認められています。
この制度は、在宅介護や施設介護を受ける高齢者のQOL(生活の質)の向上を目的としており、安全で適切なケアを提供するために設けられています。
【喀痰吸引をする前の経験談】
喀痰吸引するには、2つの研修があるんですよね。
ひとつは基本研修と呼ばれるもので、実務者研修を持っている方は、その一部の研修を免除されますよ。
基本研修は、座学と簡単な演習がありますが、難しくないので大丈夫です。
もうひとつは、実際に介護施設で実施する実地研修と呼ばれるものがあります。
これね、結構時間がかかるんですよ。
というのはですね。喀痰吸引だけでなく経管栄養も含まれているんですよ。
私の場合は、両方とも入っていたので時間がかかりましたね。
で、経管栄養(鼻腔・腹部など)・喀痰吸引(鼻腔・気切など)を一定回数を正しいやり方で実施し、指導看護師から合格をもらわないと終わらないんですよ。
あまり覚えていませんが、各15回とかあったような気がします。
不安な方は、研修期間中にしっかり教えてもらうと良いですね。
喀痰吸引するメリットとデメリット
喀痰吸引は介護者にとって、以下のメリットとデメリットがあります。
メリット
- 医療行為ができるようになる。
- 痰や唾液を吸引で、高齢者の呼吸を楽にできる。
- 緊急時の対応の幅が広がる。
- 肺炎などの感染症リスクを大幅に低減できる。
- 高齢者の健康状態を安定させられる。
- 就職先の選択肢が広がる。
- 高い評価を受けやすく、給料面にも良い影響を与える。
【喀痰吸引ができるメリットが大きいと感じた経験談】
やっぱり苦しんでいる高齢者を前にして、普通なら何もできない状態から、自分の力でなんとかできる自信がつくというかですね…楽になっていく高齢者を見るのは良いものですよ。
夜勤中、2時間おきに吸引が必要な高齢者の対応も、その場でできるようになりますからね。
まったく寝れませんけど。
高い評価は得られますね。とくに会社からは、施設によっては手当てもあるでしょうし。
一番嬉しいのは、現場の介護士だけでなく、看護師からも高い評価を得られるところですかね。
デメリット
- 習得には時間がかかる。
- 気道損傷や感染リスクが生じる可能性がある。
- 高齢者の容体が急変する可能性がある。
デメリットを最小限に抑えるためには、正しい方法をしっかり学び、環境が整った場所で実施が重要です。
【喀痰吸引で起きたさまざまな経験談】
もちろん習得に時間がかかりましたし、なんなら新しく対応する高齢者となれば、何年経とうが手探りからですよ。
なので、習得といっても、基本的な流れと注意点を覚えるくらいだと思います。
他には、喀痰吸引中の気道損傷や気道内の感染は見えないですから、分からないんですよね。
だから、吸引後の声掛けが大切ですし、その後の状態観察はより重要なんです。
この辺りがしっかりできていれば、早期に対応ができるので大丈夫ですよ。
喀痰吸引に必要な道具と準備
喀痰吸引を行うときは、以下の道具を準備する必要があります。
- 吸引器(本人専用または施設のもの)
- カテーテル(本人専用のもの)
- 手袋(使い捨ての清潔なもの)
- 消毒液やアルコール綿(必要に応じて使用)
- 吸引容器と廃棄物処理用の袋
準備段階では、すべての道具を清潔に保つのが重要です。
その理由は、不潔な道具を使用すると感染リスクが高まる可能性があるためです。そのため、使用前には道具が清潔か、しっかり確認しましょう。
清潔な道具を使用し、準備を徹底する、この環境なら安全に喀痰吸引が行えます。
初心者でも丁寧に準備を進めれば、高齢者の健康を守れます。
介護職が喀痰吸引を行う際の注意点
喀痰吸引は高齢者の健康状態に直接影響するため、以下の注意点を必ず守りましょう。
- 吸引の深さや時間を守り、高齢者に負担をかけない。
- 表情や呼吸の状態を常に観察する。
- カテーテルを無理に押し込まない。
- 手順が分からない場合は、無理に行わず指導を受ける。
上記の中でも特に、吸引時間が長すぎると、高齢者に負担をかけるため、適切なタイミングで休憩を挟みながら行うのが大切です。
また、高齢者が苦痛を訴えた場合は、直ちに吸引を中止し、状況を確認しましょう。
カテーテルは無理に押し込むと、気管内を傷つけて出血や感染症を引き起こす可能性があります。とくに注意が必要です。
手順が分からない場合、そのまま作業を続けると高齢者の命に関わる可能性があります。無理をせず、必ず指導を受けて正しい方法で対応してください。
【吸引器の圧力も重要だと思った経験談】
介護現場では吸引をする機会が多かったので、細かい注意点を載せておきますね。
まず、カテーテルを押し込んだら、気管内の壁に当たり、出血する場合があるんですよ。
だから、カテーテルを挿入する場合は、ゆっくり入れるのがコツです。
あとは吸引器ですけど、吸引力を調整できるようになっていますが、これ他の人が触って変わっていることがあるんですよ。
ほんと吸引する前に見ておかないと、カテーテルを挿入して痰を引き出したあとでは、もう遅いんですよね。
どうなるかというと、気管内で出血です。この場合は、慌てず看護師に報告し、状態観察をするのが大切ですよ。
この辺りは、必ず押さえておいた方が良い注意点ですかね。
【まとめ】介護職で喀痰吸引を習得しよう
喀痰吸引は、高齢者の気道にたまった痰を取り除き、呼吸を楽にするための重要な医療的ケアです。
この医療行為は法律で厳格に規定されており、介護職が喀痰吸引を実施するには、基本研修と実地研修の2つを修了し、介護施設の管理下で行う必要があります。
初心者でも、基礎をしっかり学べば、安全に喀痰吸引ができ、高齢者に安心と安全を提供できます。
また、介護者にとっても、自信を持って対応できるようになり、仕事の幅が広がります。ぜひ、喀痰吸引にチャレンジしてみてくださいね。
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