「介護施設の夜勤が知りたい」
こんなお悩みを抱えていませんか?
介護施設の夜勤を考えているけど、実際の仕事内容が分からないですよね。私も夜勤をするまでは、同じことを考えていたので、その気持ちが分かります。
本記事では、介護施設の夜勤11個の仕事内容を解説しています。
本記事を読めば、介護施設の夜勤をするメリット・デメリット・注意点も分かります。夜勤を考えている方は、最後まで読んでみてくださいね。
介護施設の夜勤11個の仕事内容
はじめに、介護施設の夜勤11個の仕事内容を解説します。
起床介助
介護職の夜勤業務には、早朝に行う起床介助があります。
起床介助とは、寝巻きからの着替え・歯磨き・お薬・トイレ誘導があります。
実際の起床時間は、介護施設によって違いがあるため、合わせる必要があります。
もし、高齢者の起床時に体調不良がある場合には、無理に起こさず医療機関と連携を図りましょう。
移乗介助
夜勤者がする移乗介助は、おもに起床時と就寝時です。
移乗する前には高齢者の状態を確認し、身体に負担をかけないように行います。
移乗後は高齢者に声掛けし、安全確認をしましょう。
もし、体調不良や痛みの訴えがある場合には、医療従事者と連携を図るのも重要です。
排泄介助
排泄介助は、高齢者の状態に合わせて、おむつ交換やトイレ誘導を行います。
おむつを使用している高齢者には、夜間帯でも必要に応じておむつ交換やパッド交換をします。
また、夜間帯に高齢者をトイレ誘導する場面もあるでしょう。
以上のように、夜勤の排泄介助は高齢者の状態に合わせた、柔軟な対応が求められています。
食事の準備
介護施設によっては、食事の準備も含まれています。
食事の準備では、介護現場で調理をしたり、配食サービスを利用したり、施設によって違いがあります。
また高齢者の中には食事制限があったり、食事形態を変えたりするため、個別の対応が必要です。
食事介助
食事介助は、自力で食べられない高齢者に行います。
食事介助中は、高齢者が食べたいものを聞きながら、少量ずつ口に運びます。
また喉に食べ物を詰まらせないように、必ず飲み込み確認をしましょう。
食事のペースは高齢者に合わせながら、安全に行う必要があります。
服薬介助
夜勤者の業務に、高齢者の服薬介助があります。
夜勤者が服薬介助をするのは、朝食・夕食・眠前のタイミングです。
服薬介助をする場合は、誤嚥しないように適切な姿勢で行います。
また、高齢者がお薬を飲み込めたか、必ず確認しましょう。
口腔ケア
夜勤者がする口腔ケアは、夕食後と朝食後のタイミングです。
口腔ケアでは、自立している高齢者の場合は、洗面台に誘導し歯磨きを促します。
一方で、歯磨きができない高齢者には、夜勤者が介助します。
また口腔ケア中は、口腔内を清潔にしたり、異常がないか確認したりするのも大切です。
就寝介助
就寝介助とは、高齢者が寝るまでの準備を、介護者が支援することです。
具体的な内容は、歯磨き・寝巻きへの着替え・お薬・トイレ誘導があります。
また就寝介助では、高齢者ができない部分のみを支援します。
上記のように、高齢者が安心して眠れるように支援するのが就寝介助です。
安否確認(定期巡回)
夜勤者は、夜間帯に高齢者が眠れているか定期巡回をします。
定期巡回時に高齢者が起きていたら、眠れない理由を聞いたり、お話を傾聴したりする日もあります。
また、夜間帯に物音や異常が起こった場合には、臨機応変な対応が必要です。
以上のように、夜間帯の定期巡回は、高齢者の安全のために必要です。
介護記録
夜勤者の介護記録は、介護の現場で欠かせない重要な部分です。
介護記録を残すことで、実施した介護の内容や高齢者の状態が分かるため、他の関係者に情報共有ができるようになります。
実際の介護記録では、客観的に書く必要があるため、主観的な記録にならないように注意が必要です。
以上のように、介護記録は高齢者の状態に合わせた、適切な対応を行うために必要不可欠です。
日勤者に引き継ぎ
夜勤者が日勤者に引き継ぎをするときは、実際に夜間帯で起きた情報をできるだけ詳しく、正確に伝える必要があります。
例えば、高齢者は夜間帯に眠れたのか、皮膚の状態に異常はないか、排便状況に問題はないのかなどが挙げられます。
上記の引継ぎができていれば、日勤者が高齢者の状態に合わせて対応が可能です。
こうした情報共有が円滑に行われることで、職員間の信頼関係も築かれ、高齢者により良いケアを提供できるようになります。
介護施設の夜勤者の勤務形態
ここからは、介護施設の夜勤者の勤務形態を解説します。
夜勤者の人数
介護職の夜勤は、人数の少なさが大きな特徴のひとつです。
施設形態によっては配置人数が定められていますが、夜勤は日勤よりも大幅に少ない1人~3人で担当する施設が一般的です。
例えば、グループホームの場合は、ひとりで夜勤を担当します。
実際の介護現場では、高齢者の体調が急変する場面もあるため、ひとりの夜勤では冷静な対応が求められます。
一回の勤務時間
介護施設では、24時間体制で高齢者の見守りなど行うため、介護負担の軽減として2~3交代制の勤務が多いです。
2交代制の介護施設では、夕方4~5時から翌朝9~10時までの間に勤務するため、長時間の勤務になります。
一方で、3交代制の介護施設では、夜勤の勤務時間は夜10時から翌朝6時までの8時間程度です。3交代制なら夜勤を複数回に分けられるため、職員の負担を均等に分散できます。
このように、2交代制の介護施設では夜勤の時間が非常に長く、3交代制では勤務時間が短めという特徴があります。介護職で夜勤をされる方は、このような勤務体制を事前に理解しておくことが大切です。
月の出勤回数
介護職の夜勤は、法的な規制が存在しないため、介護施設によっては出勤回数が異なります。
実際の夜勤では、夜勤者の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、夜勤の出勤回数については人事院で定められた夜勤協定が存在します。
一般的に、施設形態や規模で異なりますが、2交代制なら約4~7回、3交代制なら約5〜8回の夜勤回数です。
ちなみに、夜勤専従になると日勤がないため出勤回数が増えます。例えば、2交代制なら約10回に増えて、3交代制なら約20回の出勤回数になります。
ただし、夜勤回数が多くなると身体的・精神的な負担が大きくなるため、労働環境を考慮したうえで夜勤の出勤回数を決める必要があります。
夜勤の休憩時間
複数人で夜勤を担当する介護施設は、交代しながら休憩時間を確保しやすいです。
しかし、1人で担当する介護施設では、休憩が取れないときもあります。
というのは、夜間に高齢者が眠れない日の対応や、緊急時の対応が必要になる場面があるからです。
これらを踏まえて、夜勤をする人は休憩が取れるときに確保し、柔軟な対応が求められます。
介護職で夜勤をする3つのメリット
ここでは、介護職で夜勤をする3つのメリットを解説します。
自分のペースで仕事ができる
1人で夜勤をする介護施設では、他職員のペースを気にしなくて良いメリットがあります。
自分のペースに合ったスケジュールを立てて、無理のない夜勤業務を行えます。
ただし、自分のペースで仕事をするのが苦手な人は、複数人で夜勤をする介護施設の方が良いです。
夜勤手当が高い
介護職で夜勤をすると、1回あたりの夜勤手当が支払われます。
施設形態にもよりますが、夜勤手当は1回あたり5,000円〜20,000円程度が相場です。
例えば、月に6回の夜勤をすると、夜勤手当ては30,000円〜120,000円になります。
ちなみに、夜勤手当てが1回20,000円など高い介護施設では、パートや派遣、夜勤専従で募集している求人が多いです。
空いた時間を確保できる
夜勤業務では、空いた時間を確保しやすいのが特徴です。
というのは、定期巡回など決められた時間帯の業務がありますが、時間が決められていない業務は自分のペースで進められるため、空いた時間を確保しやすいからです。
以上のように、自分のペースで進めたい人には、夜勤が向いていると言えます。
介護職で夜勤をする3つのデメリット
次に、介護職で夜勤をする3つのデメリットを解説します。
夜勤者の人数が少ない
介護施設の夜勤は、日勤よりも職員の人数が少ないため、業務範囲が広くなるデメリットがあります。
実際に夜勤者の人数が少ないと、高齢者の体調が急変した場合に、限られた人数で適切に対応しなければなりません。
もし、朝の起床介助や朝食の準備時間に重なると、複数人で夜勤をする介護施設なら夜勤者同士で協力ができますが、夜勤者がひとりの介護施設では対応に追われます。
勤務時間が長い
夜勤者の勤務時間は、どこの介護施設も長時間に及ぶのがデメリットです。
例えば、2交代制の介護施設では約17時間が多く、休憩時間は1~2時間程度あります。
一方で、3交代制の介護施設なら8時間程度になるため、休憩時間は1時間あり身体的な負担はそれほどかかりません。
上記を踏まえて、夜勤をする人は自分の体力や生活リズムに合った、勤務形態を選ぶことがなにより大切です。
体調を崩しやすい
夜勤は、日勤とは異なる勤務形態であり、体調を崩しやすいデメリットがあります。
特に2交代制の介護施設では、約17時間ほどの勤務になるため、疲れが蓄積し身体的・精神的に疲弊する可能性が高いです。
実際に、夜勤による疲れが蓄積された結果、体調を崩してしまう職員も少なくありません。
対策としては、夜勤明けに昼寝や休日などに十分な睡眠をとることですが、、食生活にも配慮が必要です。
夜勤の求人を探す3つのポイント
続いては、夜勤の求人を探す3つのポイントを解説します。
夜勤手当をチェック
夜勤手当は、求人応募を決めるうえで重要な要素の一つです。
もし、夜勤手当を考慮して介護施設を選ぶなら注意点があります。
注意点というのは、夜勤手当が高い求人は、それだけ重労働である可能性が高いです。だからといって、夜勤手当が安い施設は楽というわけではありません。
実際に夜勤手当を基準に探すときは、求人条件をよく読んでから選びましょう。
夜勤の平均回数もチェック
介護施設の夜勤は、回数に制限はありません。
そのため、介護施設によっては一人あたりの夜勤回数が変わります。
実際に、月にどれくらい夜勤に入りたいか明確にすることが大切です。
もし、夜勤を多くしたい人は、夜勤専従を探してみると良いでしょう。
施設形態をチェック
特別養護老人ホームやグループホームなどの施設形態では、提供する介護のレベルが異なります。もちろん入居している高齢者によっても、必要とされる介護のレベルは変わります。
例えば、特別養護老人ホームなら、高齢者の人数が多い特徴があります。その分、夜勤者の負担も大きいです。
一方で、グループホームは9人しか高齢者はいませんが、認知症の方が生活されているため、精神的な面でも負担がかかります。
このように、自分のスキルと必要な介護のレベルを考慮し、夜勤の求人を探すと良いです。
介護施設の夜勤をするときの3つの注意点
ここでは、介護施設の夜勤をするときの3つの注意点を解説します。
夜勤者の体調管理
夜勤の勤務は、生活リズムが乱れやすく体調を崩しやすいため、体調管理には十分に注意しなければなりません。
というのは、体調を崩してしまうと、プライベートや仕事にも影響を与えるからです。
そのため、日頃から自分の体調管理として睡眠、食事、運動に気を付ける必要があります。
また、 夜勤でストレスを抱えている人は、ストレス解消方法を見つけることも重要です。
高齢者の状態
高齢者の状態は昼間と夜間で異なるため、夜勤者は高齢者の状態を把握することが非常に重要です。
そのため、事前に日勤者から申し送りなどで高齢者の状態を把握する必要があります。
例えば、高齢者の体調が悪いことを申し送りで聞いておけば、夜間帯に巡回の回数を増やすなどで迅速な対応が可能です。
他にも、日頃から高齢者とコミュニケーションを交わしておくと、顔色の悪さや元気のなさなど体調の変化にも気づけます。
緊急時の対応
夜勤者は、一刻一秒を争う状況になっても、冷静さを失わずに対応しなければなりません。
あらかじめ、夜勤に従事する職員は心肺蘇生の方法、AEDの使い方や設置場所を把握しておくことも重要です。
とくに、歩ける高齢者が多い介護施設では、夜間でも歩き回ったりトイレに行かれたりするため、転倒するケースも少なくありません。
緊急時は、高齢者の状態を確認するために声掛けし、意識があるのか確認します。次にバイタル測定を行い、その状態を看護師に連絡します。もし病院に搬送する場合は救急車を呼びますが、緊急性が低い場合は、翌朝に病院へ受診する流れになります。
上記を踏まえて、夜間帯ではいつ起きてもおかしくない状況のため、緊急時の対応マニュアルに目を通しておくと良いでしょう。
【まとめ】介護施設の夜勤をやってみよう
本記事では、介護施設の夜勤が気になる方へ11個の仕事内容と、勤務形態やメリット・デメリットなども解説しました。
夜勤者の仕事内容は、日勤者と同じ内容が含まれますが、配置される職員数が少ないのが特徴です。
その中で、高齢者に何が起きても対応できるように、緊急時のマニュアルにも目を通しておくと良いでしょう。
こちらの記事「今さら聞けない介護職とは?仕事内容に興味がある方に3つに分けて解説」は、介護職の仕事内容に関して、まとめて解説していますので、合わせて読んでみてくださいね。
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